猫は飼い主のことを「でかい猫」だと思っている 自分のことがよくわかっていない猫たち
猫は人間にとって「でかすぎる猫」
猫は飼い主のことをどう認識しているのか。
飼い主さんとしても非常に気になるところでしょう。
一説によると、猫は飼い主さんのことを自分と同種族だと思っているという話があります。
実際のところどうなのか、さっそく見ていきましょう。
猫は自分が誰だかわかっていない
猫は私たち人間のように自己認識能力を持ち合わせてはいません。
自己認識能力というのは、自分という存在は、だれであり、どこから来たのかということを認識する能力。
簡単に言えば、あなたの出身、あなたの通っている学校、あなたの身長、あなたに属する情報などを自分で判断する力といえます。
アイデンティティ認識能力のない、猫は自分が何者であるかわかっていません。
「吾輩は猫である」と思っている猫はまずいないでしょう。
そもそも、猫というカテゴリーが彼らには存在しないからです。
生まれてすぐ見た動物を自分の姿と誤認する猫
鏡の前に猫が立ち尽くして、じっと興味津々で眺めているのも上に示したことが理由です。
彼らは自分の姿を知らないので、初めて見た何者かの姿に驚いているわけです。
自己認識能力がないため、自分の姿が一体どうなっているのかわかりません。
動物界には、「鏡」というものも存在しませんから、大方の動物は推測でしか自分の姿を知らないということになります。
人間以外の生き物は、生まれてすぐに触れた生物、通常であれば親の姿を見て自分もこのような形なのだろうと推測します。
つまり、自分の姿は生まれた直後に見た生き物の姿と一緒なのだと考えてしまうのです。
犬に育てられた猫、クマに育てられた犬という話が一時話題になりましたが、こういったことが可能なのは、人間以外の生物が持つ興味深い一つの特徴だといえます。
やはり、あなたを「でかい猫」だと思っている
仮に、小さいころあなたが猫を拾ってきて、その猫が自分の母親を知らずに育った場合、自分もこの人間と同じような姿なのだろうと猫は推測します。
つまりあなたのことを自分と同一の種族だと思っているわけです。
その場合は、あなたのことを「お母さん」と思っているか「友人」と思っている可能性が高いといえるでしょう。
その意味では、猫はあなたのことを「でっかい猫だニャー」と思っていても何ら不思議はありません。
少なくとも、飼い主さんのことは「同じ種族の仲間」だと思っているはずです。
人間 巨大ねこ説 採用
自分のことを巨大な猫だと思われている説が有力だということをお話ししましたが、飼い主のみなさんはいかがでしょうか?
私はこれを知ったとき、なんだか面白おかしい気分になりました。
普段から私が何気ない行動をしているところも、猫は「でかい猫が何やら妙な行動をしているにゃー」とか、「でかい猫が料理を作っているにゃー」と思われているのかと想像したからです。笑
猫が人間をどう認識しているのかというのは、私たち動物行動学の研究内容でもまだ未知数な部分があり、確実なことは言えない現状です。
しかし、研究という分野から外れて彼らとの生活を思い直した時に、「猫は人間を猫だと思っている」という考えが私には一番しっくりきました。笑