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動物とのふれあいが持つ偉大な力「愛情ホルモン」とは 人間のうつ病治療に効果あり?

 私たち人間が猫に魅了される理由。

まるで軟体生物のごとき体。クールなようでいてお馬鹿さん。

人によって猫好きの理由は様々でしょう。彼らは非常に魅力ある動物だといえます。

しかし、その力は魅力だけにとどまらず、実質的にも私たちに恩恵を与えてくれるものでした。

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出典 猫侍 玉之丞

人と人をつなぐ「愛情ホルモン」とは

動物に触れるという行動。

この日常の何気ない行動が、驚くべき力を持っているということがわかりました。

その効果が「愛情ホルモン」の増加。

愛情ホルモンとは、正式にはオキシトシンと呼ばれるホルモンです。

これは妊娠をしているお母さんと、おなかの中の赤ん坊を結びつけるホルモンとも言われています。特に、授乳時に上昇するといわれているホルモンです。

「愛情ホルモン」が登場するのは、子供と母親の関係だけではありません。

友人関係、恋人関係、職場の人間関係、親密な関係が発生する場所では必ずこのホルモンがかかわっています。

いわば、このホルモンは人と人の絆を深める役割を持っているのです。

 

 動物に触れるとあったかい気持ちになるわけ

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動物に触れること自体が、気持ちを落ち着けてくれることってないでしょうか?

緊張しているとき、不安なとき、そばに動物がいてくれるとほっとする。

こんな感覚、飼い主さんだったら何度も経験していると思います。

これは人間と動物の両者に先ほど説明した愛情ホルモンが分泌されているからです。

愛情ホルモン分泌は、私たちが彼らとのふれあいで温かいものを感じているときに起きるものとされています。

無論、人間だけではなく動物の側にもこのホルモンは分泌されます。

つまり、愛情ホルモンは人間と動物の信頼関係を深める大切な要素。

このホルモンが分泌されるから、「何となくほっとする」なんて気持ちになるのです。

 

 オキシトシン(愛情ホルモン)の効果

 オキシトシンは、ほかのホルモンとは決定的に違う点。

同ホルモンは、直接脳内に作用を与えることが最近の実験結果で解明されています。

ホルモン分泌がなされると、人間には以下のような心理的作用が現れます。

ストレス状態の軽減

ストレスを抱えている人間に対してオキシトシンホルモンを注入しました。

すると、短時間の間にストレスホルモンである「コルチゾール」、「ノルアドレナリン」の減少がみられました。

これらストレスホルモンは、過剰に分泌されると私たちの日常生活を阻害するほどの悪影響をもたらします。

そして、愛情ホルモンであるオキシトシンはこれらの発生を抑制します。 

他者への信頼感、安心感の増進

愛情ホルモンは、他者への信頼感、安心感を強化します。

これが分泌されると、非常に気持ちが落ち着いた状態でいられます。

より円滑な人間関係を作ることを助けてくれるのです。 

うつ病の治療補助

うつ状態の被験者に対して、動物をあてがい一緒に過ごさせました。

オキシトシンの増加により、セロトニンが分泌されうつ症状の改善が見られました。

セロトニンとは、別名「幸せホルモン」といわれています。

幸せだと感じる時間を私たちの日常にもたらしてくれる働きを持っています。

より多幸感を私たちに与えてくれるものだといえます。 

 

 動物との生活が私たち人間をいやしてくれる 

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出典 癒しの画像

いかがでしたか。ペットとの生活はもちろん良いことだけではありません。

時にペットの病気、ペットが亡くなることで私たちは大きな喪失感を覚えます。

しかし、その代償とともに、非常に大きな喜びと幸福感を私たちに与えてくれるのが動物、猫という存在です。

愛情ホルモンの効果は猫に限られたものではありません。

忙しい毎日、ストレスだらけの毎日、そんな私たちの心を温かく癒してくれる。

実は、その裏にはこんな驚くべき効果があったというわけですね。