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猫にアロマオイルは危険?使っちゃダメ?2

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前回の記事で、ティートゥリーが猫の身体に対して悪影響を与えることを書きました。

ここで問題となるのは、すべてのアロマオイルが良くないのかということでしょう。

 これに関しては、ぜひ上の記事をご覧ください。

すべてのアロマに共通する製造過程

アロマ

日常私たちが愛用するアロマオイル、動物に対する危険性

 

 

アロマオイルの製造過程

 もともとアロマというのは植物から抽出されて作られたものです。

1mlのアロマを作るのに、その100倍から1000倍の植物が必要だとされています。

製造過程で薄められるものもあるようですが、市販されているほとんどのものは純度が高いものです。

これがアロマオイルの値段の高さの理由でもあるのです。

 

濃縮されたアロマオイルは、水分になじまない性質があるため、水に溶かそうとすると表面に薄い膜を作ります。

そしてその膜を刺激することにより、香りを発生させるというわけです。

これが私たちが普段使っているアロマの製造過程の正体です。

  

私たちの体の解毒作用(グルクロン酸抱合)

以前の記事で、猫の内臓器官が人間のそれとは違っているということを説明したと思います。

この時は、「魚を消化する」という観点からお話ししました。

 では、体内に異物や毒物が入ってきた際に猫はどのようにしてそれを取り除こうとするのでしょうか。

答えは、肝臓にあります。

私たち人間は、体の中に毒が入った場合、それを腎臓や肝臓を使って取り除こうとします。腎臓は、毒を尿に変えていらないものを排出するという機能を持っています。

これに加えて肝臓が重要な役割を果たすわけです。肝臓の役割は「解毒作用」です。

そして、肝臓が行う解毒作用をグルクロン酸抱合と呼びます。

 

 

猫の肝臓はグルクロン酸抱合が行えない

 私たち人間と違い、猫はグルクロン酸抱合が行えない肝臓を持っています。

これは猫が肉食動物であることに由来することは前回お話ししました。

そうなると体の中に入った毒は外に吐き出されることなく体の中にたまっていくので、これが中毒症状をもたらしてしまうことになるのです。

植物の有機化合物が多く含まれるアロマはこの典型です。

 

 

そもそも猫に安全なアロマはあるのか?

アロマオイルというのは、今市場に出回っているものでもかなりの数があることでしょう。会社ごとにアロマの製造工程が違うものもあり、まったく不純物を含まないアロマもある中で、不純物だらけのアロマというものもあります。

 高級で、純度が高いほど、猫に与える影響も大きくなっていきます。

そしてアロマは、基本的に人間のためにある商品だといえますので、猫の安全性まで考慮したアロマというのはほとんどないといえるでしょう。

 

使用の際には当然自己責任でということが原則になっているのです。

 

ペットを飼っている場合、使わないほうが得策

 いかがだったでしょうか?結論はやはり使わないほうが良いといえるでしょう。

アロマオイルはリラックス効果もあり人間が使用する分には問題はない。

人間が使用を誤りさえしなければ非常に良い効能をもたらしてくれるのがアロマオイルです。

 

しかし、人間と猫は別です。猫を飼っている方で、現にアロマをお使いになっている方はできればやめることをお勧めします。

もしくはアロマをたく際には、部屋を映して猫が入ってこない環境を作ってから楽しむというほうが良いでしょう。