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私たちの日常を彩るアロマオイル  動物に与える意外な危険性とは

 人間が使うアロマオイル。

部屋の中をさまざまな匂いにデザインできる手軽な道具です。

しかし、猫や犬、動物を飼っている方は使用に際して細心の注意が必要です。

 

アロマオイルが猫に中毒症状?

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まず、猫に与える影響について説明しましょう。

10年ほど前、アロマオイルが猫に中毒症状を引き起こすという事件が発生しました。

それ以後、数多くの実験が行われ、ある特定のアロマを使った際に、猫に対して有毒な影響を与えるということが発見されました。

その代表格が、ティートゥリーという精油です。

 

この精油は、ノミやダニ駆除に大きな効果があります。

カーペットの消臭効果、わたしたちが普段から身に着けている衣服の抗菌効果など多くの点でその有用性が指摘されていました。

アメリカやイギリスなどでも、ティートゥリーは市民に愛用される精油です。

 

各国で利用されていただけに、まさか愛用している精油が原因で猫に中毒症状を起こしたとはなかなか考えられませんでした。

そのため発見が少々遅れてしまったようです。

 

どのような中毒症状を引き起こすのか

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猫の運動能力低下、体温低下、脱水症状、神経過敏を引き起こします。

アメリカでこれを実証する事件が1990年代におこなわれました。

数匹の猫は中毒症状を起こしてしまい、残念なことに亡くなってしまったようです。

最悪の場合は、このような事態を招いてしまうことも考えられます。

  

人間は大丈夫、なぜ猫は中毒を起こすのか

精油は人間に中毒症状を起こさせることはまれ。

しかし、猫には好ましくない影響を与えます。

なぜなのか。

 

これは、猫が「肉食動物」であることに由来しています。

猫は基本的に植物を接種するということをしません。市販されている猫草など、本当に少量のものをとることはあるでしょう。

そのため、猫の体には植物成分を分解するための機能が備わっていないのです。

 

この機能を「グルクロン酸抱合」といいます。(この機能に関しての説明は次回の記事に譲ります)

私たち人間の体にはこれが備わっているため、問題が起きません。

 

ティートゥリー精油は植物濃度が非常に濃い

肉食動物である猫が、植物成分を分解するのに十分な体の機能を持っていないことは説明しました。

そして精油は、植物濃度が非常に高く、ほんの少量の精油を作るだけでも多くの植物成分を必要とします。

そこで想像してみてください。

もし仮に、濃度の高い精油を猫に与えればどうなるか。

火を見るよりも明らかでしょう。

精油を消化しきる機能自体がないのですから、確実に中毒症状を起こしてしまうのです。

  

最後に

 精油が猫には好ましくないということはお分かりいただけたでしょうか?

今回有害性に着目したのはティートゥリーです。

では、次にこれ以外のアロマオイルを家で使用することは問題ないのか、

そして使用する際の注意点を細かく見ていきたいと思います。

 

では、次回記事へ行きましょう。