猫だって愛情がほしい 愛情不足が引き起こす猫の問題行動
あなたのかかわり不足が猫を非行に走らせる
猫には愛情などわからない?これは全くの誤解です。猫は飼い主さんが示す愛情をものすごく欲しています。そしてときに、愛情が足りないために猫は問題を起こすことすらあります。
では、実際にどのような問題が起きるのか、そしてその予防法を日常で簡単に行える方法でご紹介します。
人間も愛情不足だと健康を損ねる
愛情に飢えている状態、これを心理学では「愛情飢餓」と呼びます。
人間の場合、愛情不足によって、うつ病、心身症、精神疾患を患う可能性を高めてしまうほど「愛情」というのは私たちに必要不可欠なものです。
近年、「愛情」の正体は脳から分泌されるホルモンだということが判明しました。
そしてこの愛情ホルモンは、人間の健康を支える各種ホルモン分泌を施す役割があります。
愛情ホルモンとはなんなのか?そしてその働きに関してはこちらの記事を参考にしてください。
愛情ホルモンが不足してしまうと、日常に張りが無くなってしまったり、なんとなくやる気が出ないという倦怠感を感じながら毎日を過ごすことになってしまいます。
愛情を他者から補給されるということは、健康維持の点でも重要なのです。
かかわり不足は猫の非行を引き起こす
愛情不足が人間に引き起こす問題を少しお話ししました。
では、猫のほうに話を戻しましょう。
実は上で説明した人間の話が、そのまま猫にも当てはまってきます。
周囲から愛情を与えられて育った猫は、情緒的に安定した状態になります。
愛情ホルモンが適切な形で分泌されるために猫の身体機能、精神機能を促進するからです。
逆に、適切な愛情を与えられずに育つと、猫の情緒は不安定な状態になりやすいです。
仲間内で関係がうまくいかない、親と早期に分かれた猫は、攻撃性が強くなる傾向にあります。
周囲との関係の良し悪しが猫のメンタル状態を決めるといっても過言ではありません。
どんな問題行動を起こすの?
飼い主さんがあまりかまってあげられないために、猫が起こす行動は以下のような例が考えられます。
過剰なトリミング
トリミングは、犬も猫も日常的にする行動です。
しかし、トリミングは動物が不安を打ち消すためにとる行動でもあるのです。
これが過剰に行き過ぎると、舐めすぎてしまい、皮膚の炎症を引き起こすことになります。
愛情不足は猫の不安を引き起こす要因ともなりますので、不安を打ち消すために過剰なトリミングを行って自分の皮膚をけがさせてしまうこともあります。
家の破壊工作
こちらはお困りの飼い主さんも多いのではないでしょうか?
家の中の畳、高級カーペット、猫は爪を研げる場所であればどこでも爪を研ぎます。
愛情不足は猫のストレスを引き起こしますから、かまってもらえないイライラをほかのものにぶつけようとしてこのような破壊行動をとってしまうことも考えられます。
夜泣き
夜中に、猫がずっと鳴いていて眠れないということありませんか?
これは「猫のさかり」が原因とも考えられます。
しかし、夜中にそういった行動を頻繁に起こすのであればチェックが必要です。
要因として考えらえるのは、日中なかなか飼い主さんに相手にしてもらえないことを夜中に訴えているという可能性があります。
じゃあ解決のためにどうしたら良いの?
最近、猫にかまっていない。そして問題行動が増えた。
上にあげた例に当てはまるのであれば、関係をもう一度見直してみましょう。
具体的に猫にやってあげるべきことを簡単に説明します。
この記事の中でも、猫への接し方を解説していますので、参考にしてください。
まずは一日20分、猫とゆったりした時間を過ごす
猫ちゃんとの時間を増やしてあげてください。
なかなか時間が取れないという方でも、一日20分ほどの時間をとにかくゆっくり一緒に過ごしてあげることが大切です。
かまってあげられる時間が増えれば、猫のほうにも愛されているという実感が生まれます。
飼い主さんとのふれあいの中で愛情ホルモンの分泌が施されますから、猫の情緒も安定するでしょう。
猫のツボをおしてあげましょう
猫に「気持ちが良いニャー」という体験をさせてあげるのです。
猫のツボに関してはまた別の記事で説明したいと思います。
飼い主さんであれば、猫がどこを触られるのが好きで、また嫌いかということはお分かりだと思いますので、それぞれの猫ちゃんに合わせたマッサージを施してあげてください。
マッサージは人間にも非常に効果が高く、脳内のセロトニンという快楽物質を増やす効果もあります。これは猫も同様です。
満足すれば、あなたの猫ちゃんは安心して睡眠に入ってしまうでしょう。
猫が問題行動をやめたらご褒美をあげる
猫が問題行動をやめたら、それに対しての報酬をあげましょう。
これにより、問題行動をしなければおやつをもらえると猫は学習します。
もちろん過剰なおやつあげすぎは体に毒ですので控えていただきたいですが、一時的な解決としては非常に有効な手段です。
安心感と愛情を猫には与えましょう
ここまで読んでいただいた方であればもうお分かりだと思います。
情緒の安定こそが、猫の問題行動を止めるための手段です。
そして、情緒の安定には愛情ホルモンを供給してあげることが何よりも処方箋となります。
現代の私たちは非常に忙しい毎日を送っていますし、なかなかかまってあげられないこともあるでしょう。
しかし、もしそれで問題行動を起こすことがあれば余計に飼い主さんのストレスは増してしまい関係が悪化してしまいます。
まずはゆっくりと腰を落ち着けて、飼い主さんのほうから動物のほうへ歩み寄ってあげることが彼らの行動を整える一番の方法です。
「動物には安心感と愛情」
忙しいときにこそもう一度彼らとの関係を考え直してみましょう。