良い動物病院を探すために(後編)
前回、下の記事で私の実際の経験から、何を基準にして動物病院を選ぶべきなのか、そしてその選択がペットの運命を左右するほど大切なことだとお話ししました。
今回は、具体的な選ぶ際の基準をはっきりさせてお伝えしたいと思います。
全体で七つのポイントがありますので、ぜひ確認してみてください。
できるだけ自分の家から近い動物病院を選ぶ
近い場所にある動物病院を選ぶことは以下の点から非常に重要です。
動物に何かあった時にすぐに手当てをしてもらえる
突然ペットが体調を崩してしまったとき、すぐに手当てをする必要性がある場合が多々あります。
病気の際にはいかに早く治療を開始するかという時間が非常に重要です。
それが時にはペットの生死を決定することにもなります。
できるだけ近い場所の病院であればすぐに連れていけますし、なによりも長時間の移動を強いられることは動物にとってもストレス以外の何物でもありません。
歩いて10分のところに病院があるというのがベストなのですが、都内だとなかなかそういうわけにもいかないので、1時間以内にはいける距離圏内に信頼できる動物病院を確保しておきましょう。
ペットの負担を減らすことができる
前でも少しお話ししましたが、長い時間をかけて病院に移動する際、動物は強いストレスを感じます。
基本的に動物というのは自分の巣、ここでいえば飼い主さんのお家がペットにとっての縄張りになります。
その縄張りからペットを出すのですから、動物には強い不安、時には恐怖など様々な感情的負担を強いることになります。
短距離であればそういったストレスを劇的に軽減することが可能ですし、重い症状を持ったペットを刺激せずに済みます。
病院の先生との関係が深まることで、より親身に相談に乗ってもらえる
自分の家から近い場所に病院を構えている場合、先生自身も近隣の情報に対しては非常に興味があるはずです。
病院を構えるというのは会社を経営することと同じですから、周囲にどのようなニーズがあり、自分の病院の周りはどのような環境なのかということは先生にとっても重要なことです。
ここで、飼い主さんが先生に対して町のお話などをするということは先生にとっても有意義なことです。
他にも、近いところに住んでいるということでより親密感がわき、より近しい関係でお付き合いをすることが可能になります。
こういった環境を整えれば、先生はあなたにとって非常に心強いパートナーになるはずです。
規模ではなく病院の質を重視しましょう
大病院の診療時間は非常に短い傾向にあり、回転率を重視するゆえに一人一人の患者さんに対して限られた時間で診療をすることになります。
つまり、大きな病院では先生との関係構築がなかなかできません。
先生と飼い主さんがしっかりした関係を構築することは、ペットをしっかり診療してもらう上でも非常に大切なことです。
先生も同じ人間ですから、患者さんはもちろんみな平等ですが、思い入れをあなたのペットに対してもっていれば、より診療もしっかりした形で行ってくれるはずです。
もちろん、大きな病院でも本当に信頼できるところはあります。
しかし規模という情報や口コミだけをあてにして大病院を選ぶという選択の仕方では本当に信頼できる場所は見つけられません。
あなたが得る非言語情報が大切
これは飼い主さんに特に気を付けていただきたいことです。
ペットに対して先生方がどのように向き合ってくれているのかという姿勢を見ようという話です。
いわゆる言葉にならない、非言語情報をしっかりと拾おうということです。
ことに先生の心の姿勢というのは、病院の清潔感、スタッフの教育、注射の仕方、先生の表情、言葉に如実に表れます。
私が、最初のほうに通っていた病院では先生自身が非常に興味のなさそうな、いわば無関心な感じで診療をしていました。
先生の態度がそうだと、当然そのやる気のなさはスタッフさんにもうつります。
そうなればより良い診療をしてもらうことは難しくなるでしょう。
本当にしっかりと診療してくれているのか、飼い主さん自身の目で病院の雰囲気、先生やスタッフさんたちの仕事ぶりをしっかり見て、もし不安を覚えるようであれば、インターネットや周囲の方の情報を頼りにももう一度病院を考え直してみるのも手かもしれません。
細かいサービスでお金をとるところはおすすめしない
これに関しては、私の個人的な意見です。
私がうかがった病院の中で、爪切りだけで1000円以上の金額を請求するところがありました。
結局診療もしっかりとしてくれなかったし、後で聞いたところによると、その病院は「お金儲け」を第一にした病院として獣医師の中では有名だったそうです。
サービスに対してこちらがお金を支払うのは当然です。
病院経営もビジネス経営と同じですから、収益をとろうとするのはむしろ健全な行為です。
しかし、度を越した診療報酬の設定を行っているところがまれにあります。
その病院の診療報酬が業界全体を見たときに、どの位置にあるのか。事前に電話で確認をとるか、あなたの周りの飼い主さんが通っている病院での平均的な金額を確認しておきましょう。
<ネットの口コミではなく信頼できる方からの情報を!
ネットでの口コミをもとにして、動物病院の良し悪しを決めてはいけません。
悪質な場合、ネットでの評判を上げるために、先生とスタッフが共同して自分の病院のホームページに好評価を書き込んでいたということがあります。
あまり勘ぐりすぎて悪く考えすぎることはお勧めしませんが、ネットでの口コミに絶対の信頼性を置くことはやめましょう。
口コミであれば、あなたが信頼を置く近しい友人たち、ほかの飼い主さんから直接いただいた情報をもとにしましょう。
ブログを確認してみましょう
普段から、その病院がどのような活動をしているのかということが、病院ブログには書いてあります。
ブログを持っていない病院も多いですが、まずは検索をしてみましょう。
そこで、その先生が積極的にペットにかかわる活動を行っているのであれば、一度出向いてみることをお勧めします。
ペットを連れて行く前にぜひ下見を
緊急の場合を除いては、あらかじめその病院を直接自分の目で見ることが大切です。
私は、ネットや電話での調べに終始してしまい、自ら足を運んだのはそのうちの数件でした。
当時、私はネットで調べれば確実だろうという浅はかな考えをもとに行動をしてしまいました。
その結果、何件も犬を連れて病院を回ることになってしまい、それが犬にかなり大きな負担をかけたことをいまだに申し訳なく思っています。
ぜひ、一度ペットを同伴する前に飼い主さん自身の目で病院を見てみましょう。
可能であれば、病院の中に入って、ペットを見てもらいたい旨を伝えてみましょう。
その際のスタッフさんの対応や先生との話の中から信頼できるか否かを決めるための情報が引き出せます。
あくまで前提ですが、大事なことです。
まとめ
以上が飼い主さんに気を付けていただきたいことです。
病院に実際に足を運ぶ際に、そして運ぶ前にぜひ参考にしてみてください。
この情報や基準は、私の周りの飼い主さん、病院の先生、そして私自身の失敗体験をもとにして作っています。
多少個人的な意見が入ってしまった部分もあるかとは思いますが、できるだけ客観的な基準に基づくために多くの方のお話を参考にさせていただいたうえで作成しています。
金額面、立地関係、病院環境、スタッフ、先生、診療内容、口コミ(ネットでも可ですが、直接聞いた情報のほうがより信頼できます)というポイントから、あなたなりにその病院を分析することをお勧めします。
動物が病気になってからではなく、病院の情報に関しては常にアンテナを張っておき、より良い診療をしてあげられるような場所を見つけてあげてください。