「アジソン症」という難病犬と私の体験 良い動物病院を探すため
動物病院、これはペットを飼っていれば絶対に避けては通れない関門です。
なぜそこまで重要かというと、正しい動物病院を選ぶということがそのままあなたの大切なペットの寿命に大きくかかわってくるからです。
そこで私の体験から、良い動物病院にたどり着くためのポイントを飼い主さん、これからペットを飼おうという方に紹介したいと思います。
絶対に同じ轍は踏まないでほしい。そう思っています。
記事は全体で2部に分かれています。普段と違い非常に長いです。
飼い主さん方、病気をお持ちのペットを抱えている方、これからペットを飼う方向けになっています。
1部は私の体験、そして2部はより良い病院の探し方をお伝えしたいと思っています。
以前、私の犬がかなり特殊な病に侵されてしまい、亡くなったことをお話ししました。
アジソン症という原因不明の難病でした。ぜひこちらをご覧になっていただければと思います。
少し長くなってしまいますが、大切なことなので簡潔さに欠ける部分についてはご了承ください。
有名病院だから安心とは限らない
私の飼っていた犬、ある日を境に体調を壊していきました。
おしっこが頻繁になり、食事を食べなくなりました。
すぐに東京にある大きな病院を探し、そこで検査をしてもらいました。
車で一時間ほどもかかってしまいましたが、私は大手であれば間違いないだろうと思ったので、そこに行ったのです。
腎臓の数値が非常に高いという検査結果が出されました。
先生に相談して詳しい検査に入っていただきました。
後日かなり繊細な数値まで出していただきました。
問題だったのは、病気がわからないということでした。診断名がつかない。
原因不明。
しかし犬の体に関しての数字上の結果はひじょうに細かいものでした。まるで企業で出されている会社のレポートのように、数字だけは細かく記載されていたんですね。
原因がわからないのに、数字だけ出されたってどうしようもないでしょ!
原因不明、いくら調べてもわからない。
先生のほうは数字はしっかりとだしたんだから、あとは食べ物に気を付けてください。
その一点張りでした。
いや、私が知りたいのはそんなことじゃない!大切なペットの体のどこがどんなふうに悪いのか教えてください!
わかりません。おそらく問題はないでしょう。何か家でカロリーの高いものあげていませんか?
とにかく食事に気を付けてください。
その日病院から勧められた商品を購入して私たちは家に帰りました。
不信感を持ったために、ほかの動物病院へ
大手の動物病院でも何も悪いところがわからない。
どうしよう。言いようのない不安に襲われました。さっそく私たち家族はほかの動物病院を探しに行きました。
よいところを探そう!できれば口コミがよくて安心感があるところ!そう思い、着々と私はインターネットで検索を進めリストを作って犬専門の病院を探しました。
とにかく血眼になって探しました。
遠いところから、近いところまで、自転車を使って、電車を使って、電話をして探し回りました。
動物病院を見つける
ひじょうに口コミや評判がよく、ネットでも好評価をされている病院を見つけました。
さっそくその週に、犬を病院へ連れて行くことになりました。以前出された検査結果を携えて。
さっそく検査が始まりました。
先生は、その前に爪を切りましょうと言い、お願いをして爪と毛を検査がしやすいように整えてくれたようでした。
いよいよ検査、これで何かわかるはず!期待に胸を膨らませて私たちは待っていました。
数十分して、処置が終わり、先生が出てきました。
検査結果は後でご報告します。おそらく一週間ほどで出ると思いますとおっしゃっていました。
安心して、その日の検査代金を支払おうとすると、金額がおかしいことに気づきました。え!?と思いました。
検査代金として、爪切り代金1000円、カット代2000円。
前回の動物病院ではこんな代金とられなかった。でもこれが動物病院の基本的な値段なのかな。
そう思ってもなんとなく釈然としませんでした。
いよいよ検査結果を出してもらい、病名を!
一週間後、直接来てくださいということで伺いました。
その時は私一人でした。
検査結果には数字がびっしり、詳細なデータでした。
病名はなんですか?私が先生に尋ねると、病気は見つかりませんでした。
数字はしっかり出しましたよ。では数字の説明をしましょう。
そういってかなり細かい説明をしてくれました。
食事の仕方に問題があるんではないですか?私の病院が推奨するフードをぜひ買ってください。
そう先生はおっしゃいました。
私はなんとなく嫌な予感がして、すぐに断り、またかという失望感からあんなに頑張って探したのにとまた自分を責めました。
病院をたらいまわしにしてつらい思いをさせてしまった
大切な家族のため。
どんな手を使っても探してやる!病気の原因をしっかり調べてもらおう!
そう思っていた私でした。その後もいくつかの病院を回りました。
お決まりのように数字を出されて、治療費と検査結果代をとられるだけ。
最後の病院で私は心ならずも先生に対して激怒してしまいました。
あなた、動物のお医者さんでしょ!ほしいのはデータではなく、どんな病気があって適切な治療方法を探しているんです。
どう見たって体調悪そうなのに、問題ないわけないでしょ!
小さな病院で、ようやく病気が判明
私の家から歩いて10分ほど。
まさに燈台下暗しでした。
今まで大手の病院ばかり探していたので、思い切ってそこの門をたたいてみました。
スタッフの数は約5名程度、小さなこじんまりした病院でした。
小さな病院で、そこは、爪切りに代金をとるようなことはしませんでした。
犬の検査をするために毛を少し駆らなくてはいけなかったのですが、そのカットにも代金をとるようなことはありませんでした。
一週間後検査結果を、いただきました。
いつも通りまずは数字の説明。
私はなんとなく、嫌な予感がしました。
しかしその後、先生の口から病名を告げられました。「アジソン症」
病気のことをまったく知らなかった私でした、病名を聴いてなんとなく安心しました。
しかし、そのあと詳細な説明をされて私は茫然とした記憶があります。
原因不明の難病であると。
やっと検査結果を手にできた!探し始めてから半年以上経過していた
そこから私たち家族で犬の病気との闘いが始まりました。
その先生はとても親身になって相談に乗ってくれる方でした。
私たちの犬を可愛がってくれ、ほかお家の犬や猫にも非常にあたたかく接していた先生やス、タッフのみなさんの優しい表情をよく記憶しています。
先生と一丸になり、家族ともども犬の治療に当たりました。
病気がわかったのがちょうど犬が3歳の時でした。
本当によく皆さん尽力してくれましたし、本当に良い病院に出会えたということに今でも感謝しています。
後で先生に聞いたお話だと、動物病院を選ぶ際には非常に注意が必要だということでした。
大手や口コミでも実際に見てみないことには安心してはダメ。
とくに難しい病気の場合は、ほかの病気といっしょくたにされてしまい問題がないとされることもある。
中には爪切りやこまごまとしたサービスで利益をとることばかり考えている病院もあるということでした。
あの動物病院に出会わなかったから、どうなっていたのか
今考えても、出会いに感謝しています。
約四年間の闘病生活 そして
犬が七歳になった、冬、かなり寒い時期でした。
犬は長い闘病生活を経て亡くなりました。
突然体調を壊し、すぐに病院へ連れて行きましたが、手だてがありませんでした。
検査台の上で、長年お世話になっていたスタッフ全員の方たち、院長の先生、私たち家族、皆に囲まれて犬は息を引き取りました。
規模の小さい病院だからこそ、勉強熱心な先生がいる(大切なのは規模じゃない)
本当に尽力してくださいました。
そもそも病名を発見してくださったのは先生、犬が亡くなった後になって、院長先生の奥様から伺ったのですが、その先生は難病の研究に対して非常に熱心な方で動物病院で行われる勉強会に毎回参加していらっしゃるようです。
犬が息を引き取って、葬儀が終わり、私たちはその足で先生のところへお礼をしに伺いました。
病院にある検査台を見て突然涙がこみあげてきてしまい、その場でぼろぼろと泣いてしまいました。
動物病院を探すのがもう少し早ければ、もっと長く生きられていたのではないか?
あの病院を必死になって探した半年間、あれがなければ、病気をもっとよくしてやることができたのではないか?
最初の半年間のことを思い出し、私は後悔と自責の念にさいなまれていました。
病院をたらいまわしにしてしまい、犬を車で移動させていたので、途中で車酔いのために吐かせてしまったり、つらい思いをさせてしまったのではないか?
もっと効率よくできたんではないか?
そんな思いがありました。
次回の記事で、良い動物病院の探し方を皆さんに知ってほしいことをお話しします。
まずここまでお読みいただきありがとうございました。
この記事の内容を踏まえたうえで、次の記事で良い動物病院の具体的な見分け方を考えたいと思います。