猫をお風呂に入れるのは正解なのか、不正解なのかというはなし
猫はお風呂を嫌がる 入れても大丈夫なのか
猫をお風呂に入れることは正しいことか、それともさけたほうが良いことか。
そもそも動物がお風呂に入る必要性があるのでしょうか。
今回は、そんな素朴な疑問について考えてみましょう。
動物の入浴 時に自然界では動物の生死にかかわる
野生の動物というものは人間のようにお風呂に入るという習慣はありません。
よく猿が入浴をしている映像が流れていますが、あれは非常に珍しいシーンだといえます。ちなみに「温泉に入る猿」といえば、「地獄谷野猿公苑」が有名ですね。
動物が風呂に入るという行動、これは体に大量の水がつくことと同義です。
自然界には、私たちが使っているようなタオルはありません。
自然乾燥という手だてしかないわけです。
冬場、風呂から上がった後、体がとても冷えるという体験は私たちにもなじみ深いものでしょう。
あれは、体に付着した水分が、温度差によって一気に蒸発し、その際に人間の体温を奪うからです。
この「体温を奪われる」ということ。
天候や温度変化の厳しい環境の中では、動物にとって非常に危険だといえるでしょう。
砂漠や、森林地帯、温度差の激しい地帯においては水につかるという行為が、命に係わる行動になります。
動物はこの事実を本能的に知っているので、水につかるということはできるだけ避けようとするわけです。
風呂に入るという概念自体がない
地獄谷の温泉で入浴する猿
つまり、動物には風呂につかるという概念自体がないということになります。
そしてときにそれは危険を伴うので、風呂に入る習慣を持った動物はまずいないでしょう。
上の写真は有名な地獄谷のお猿さんですが、これは非常に珍しいといえるでしょう。
猫がお風呂を嫌う理由は、本能にあった
そもそも猫ちゃんの祖先は、ミアキスという種族になります。
そして、直近の祖先はリビアヤマネコという種類です。
砂漠地帯に起源があるのですが、温度差の激しい砂漠地帯では水につかるようなことをしてしまうと、急激な温度差で心臓に負担がかかったりしてしまうんですね。
猫の本能にも、上に示したような本能学習が組み込まれています。
これが猫が水を嫌う理由です。
ミアキスに関して気になる方は下の記事をご覧ください。彼らの起源を知ることができます。
猫を風呂に入れるのは、彼らの選択に任せる
猫が水を嫌う理由はお分かりいただけたと思います。
そこでどうしても猫をお風呂に入れたい場合は「彼らの意見」を尊重してあげてください。とはいっても、言葉を話してくれるわけではありません。
そこで体調が良い時を見計らって、試しに猫をお風呂に入れてあげることをお勧めします。
そこで、猫が暴れる、逃亡する、そういった反応を示すのであれば、「猫にとって風呂は不正解」ということになるでしょう。
中には、非常に風呂を好む子もいると思いますので、彼らが良い反応を示し、風呂に入った際に恍惚とした表情をしているのであれば「風呂は正解」ということになります。
いずれの場合も、猫の性格に応じて「好き嫌い」はわかれてきますので、これに関しては飼い主さんの側で適切な判断をしていただければと思います。
風呂は猫の体調と好みで考えてあげて
最後に、くれぐれも無理に入浴させるようなことは避けてください。
体調の悪いとき、風邪をひいているときにはなおさらです。
また、高齢になった猫の場合も心臓への負担などを考えてもやはり避けたほうが良いという結論になるでしょう。
この辺の決定は、猫の体調、年齢、好み、それらを総合して飼い主さんがどう判断するかによると思います。
仮に猫が風呂をとても気に入ったということであれば、半年に一回ほどのペースで「お風呂」の快適さを彼らに提供してあげてもよいかもしれませんね。